第2章 狗巻先輩
東京の呪いは人口の大きさだけあって、強く沢山発生するが、呪術高専があるため、何かあれば高専の者がすぐ駆けつけられる。
その点、地方は厄介だ。
呪いの数自体は少なくても、それがとても強かった場合、呪術師が駆けつけるまでの時間に大きな被害が出てしまう。
明日祓いに行く呪いも、既になんか悪さしちゃってるんだろうなぁ…
『ふぅ…』
「こんぶ?」
『きゃっ!…せ、せんぱ……起きてたんですか!?』
くしゃっと笑って、私の背後から資料を覗き込む彼は、つい先程までそこの布団で爆睡をかましていた狗巻先輩で…
何やら気になる点があったのか、さらにぐっと覗き込んで来たため、先輩の顔が私の真横に来て目を見開いてしまう。
肌綺麗…
睫毛長過ぎる…
そうじっと見つめていたのがバレたのか、先輩がこちらを向き至近距離で目が合ってしまう。
『!!』
「た、たかな!」
ごめん!って言ったのかな?
2人して視線を違う方向へ向けると、先輩が何やらスマホに文章を書いているのが見えたので、待っていると、
[一昨日はごめん!色々と我慢出来なくて…!
なんでもするから許して!!]
そう書かれた画面を見せられ、目を見開いたんだ。