第2章 狗巻先輩
祓い終わったとは言え、きっと呪いがかかっていた私を気遣ってか、私の部屋にいてくれた真希先輩のことがもっと好きになりながらも、今日の事を話したら幻滅されてしまうと、口をつぐみ、下を向いて、
『狗巻、先輩に…嫌われてしまったかも、しれないです』
そう、それだけ言うと、真希先輩はベッドに腰をかけて、私の頭にポンと片手をのせる。
「棘は大丈夫だ。さっきも琴音をお姫様抱っこしてたわけだが、むしろニヤニヤしてたぞ」
『お、お姫様…!?えっ!?』
日頃から鍛錬しているとはいえ…私、絶対重かったよね?
うぅ…狗巻先輩に合わす顔が、どんどん無くなっていく…
真希先輩に救いを求める眼差しを向ければ、はぁ、と一息ついて微笑んでくれる。
「とにかく、ゆっくり休め、と言いたいところだが、1年担任クソメガネがもうすぐここに来るらしいから、それまでは起きてろ。
じゃ、私は行くぞ」
『え、せ、先生……うっ、はい……
真希先輩、ありがとうございました…』