第2章 狗巻先輩
『んっ…』
ゆっくりと瞼を開く。
あぁ、私、寝ちゃってたんだ…
私の部屋…!?
五条先生の部屋にいたはずが、目を覚ましたら自分の部屋にいて、しかも、服はちゃんと着せられている。
身体を起こした反動で、全身が微かに筋肉痛になっていることに気がつく。
あ、そうだ!
狗巻、先輩……!!
五条先生のこともそうだが、思い出すだけでかあっと顔が熱くなる。
五条先生と狗巻先生にあんなっ…!
五条先生とはファーストキスをしてしまったし、ほぼ裸同然の姿を見られて…
狗巻先輩のこと……と、棘先輩、って呼んじゃったし、それに……
うぅ…
五条先生は大丈夫だったとしても…いや、私は大丈夫じゃないけど!
狗巻先輩には絶対、狂ってる痴女って思われた…
そう熱くなっていた身体がどんどん冷めていくのを感じていると、
「ん?起きたか?
棘に琴音の部屋案内してって言われて案内したが…」
『ま、真希先輩!?
わ、わたし…っ!ど、どど、どうしましょう……』
「あ?ん?ちょっ…一旦落ち着けって…」