第2章 狗巻先輩
神楽の身体に触れるか触れないかのところで手を止め、ゆっくりと息を吐く。
だめだ。
だが、これ以上彼女を見ていたら再び理性を手放してしまうと確信し、ぎゅっと目を閉じて彼女の耳のそばに顔を寄せる。
『【イけ】』
「んんーーー!ぁあ、あ、んっ…せんぱ…!」
目を閉じて視界を遮っても、彼女の色っぽく可愛い声が自分の身体に熱を持たせていくのが分かる。
ごめん、辛いよね…
辛いけど、もうあと1回だから。
彼女に休憩する隙を与えてしまったら自分の理性が持たないと、心の中で何度も何度も謝り倒し、再び口を開けば、ぎゅうっと彼女が自分にしがみつく。
呪力が流れていくのを感じるのだろう。
彼女が少しでも楽になるように、同じようにぎゅって抱きしめ返して息を吸う。
『【イけ】』
「あぁあっ、んっ!!ふ、は……」
彼女の声がパッタリと止みしばらく経ってから、ゆっくり身体を起こして目を開く。
気持ち良さそうに寝息を立てていることに安心し、ジィッとパーカーのチャックを上げる。
『明太子…』
良かった…のかな…。
狗巻side.end