第7章 伏黒君
私の手首を捕まえていた伏黒君の手が少し緩んで、彼の身体がゆっくり離れていく。
「どうした?」
目が合って、余裕のない彼の表情に思わず息を呑んでしまう。
『え、と……その、今日は、ありがとう…だから、あの、やっぱり…』
「神楽?」
『わ、私、なんかでよければ、伏黒君の、好きに…して…?』
恥ずかしさで再び目をぎゅっと閉じて横を向くと、いつもより少しだけ荒い息づかいがゆっくり近付いてくる。
い、勢いで言っちゃったけど…!
私、大丈夫かな!?
初めては痛いって聞いたことあるし…
でも、伏黒君にはたくさん助けてもらって…
くちゅり、ちゅうっ…
『ひゃ、ぅ、んっ!み、耳は…!』
「好きにしていいんだろ。ちゅっ…はぁ、可愛い」
『ゃ…!んっ、は、ぁ…』
「元々その気だったけど、もう、やめねぇから」
!!
伏黒君が近すぎて、頭がまわらない…!
額を合わせながら、そう早口で言う彼から目が離せなくなり、胸の上で動いていた彼の手に気付かなかった。
『きゃ!ま、待って、見ちゃ、だめ…!』
「ごめん無理」
突然上体を起こされれば、いつの間にか学ランとシャツのボタンが全て外されていて、あっさりどちらも抜き取られてしまう。
必死に両腕で下着を隠そうにも意味なんてなく、ゆっくり近付いて来た彼が私の首筋を舐めあげる。