第7章 伏黒君
伏黒君、少し身体熱いな
疲れて眠くなっちゃったよね…
早く彼を開放してあげないと。
そう彼を見上げていれば、すぐに彼の部屋に到着してベッドにそっと下ろされる。
『伏黒君、ありがとう。ここからならもう自分で戻れ、る…え?』
「もしかして、帰れると思ってんのか?」
『帰れる、よ…?』
早口でそう言いながら、私のすぐ隣に座って腰に腕をまわす彼。
いつもなら近すぎると緊張してしまう程の距離なのに、疲れた頭では何も考えられない。
「目、閉じろ」
『ふし、ぐろく…』
「さっきの続き。神楽も足りなかっただろ」
!!
さっきって…
任務中の!?
『だ、だめだよ!だって、あれはっ…わっ』
ベッドが軋む音がして、私の身体倒されたことに気付く。
両手は、顔の横でそれぞれ伏黒くんのそれで縫い止められて喉の奥がひゅっと音を立てた。
逃げられる気がしない
「ダメじゃねぇ…今度は、途中でやめたりしないから」
『ぅ、あ……んっ、んぅ』
好きな人としかしちゃダメだって分かっているのに、重なる唇が暖かくて心地良い。
そんなところまで舐めるの…!?
口内を隅々まで舐めとられて、びくりと身体が揺れる。
それに気付いた彼が少し離れてクスリと笑えば、彼のこめかみに浮かぶ汗を見つけて、楽にしてあげたいという気持ちが生まれてしまう。
『ふしぐろ、くん、あ、の……』