第7章 伏黒君
『んっ…』
身体がふわりと持ち上がる感覚で目が覚める。
あれ、ここは…
って、また伏黒君に抱っこされてる!?
びくりと自身の身体が揺れて至近距離で彼と目が合うと、クスリと笑われてしまう。
あっという間に顔が熱くなっていくのを感じて、恐る恐るまた彼を見上げて口を開く。
『ふ、伏黒君…!その、歩けるから、降ろして…?』
「足に力入らなくて転んだら大変だよ?恵に運んで貰いなよ〜」
『ひゃっ、ぅ…五条、先生……』
頭をくしゃりと先生に撫でられて、咄嗟に伏黒君にしがみつく。
恥ずかしさで少し泣きそうになっていれば、クスリと笑った先生は手をヒラヒラ振って、私達の寮とは別の方へ行ってしまった。
私、高専に着くまで寝ちゃってたんだ
伏黒君だって疲れているはずなのに…
そう申し訳ない気持ちを抱えながらも、どこか安心してしまう自分が少し嫌になる。
「大丈夫か?」
『も、もう全然平気!本当だよ』
「じゃあ…このまま俺の部屋向かうからな」
『うん…?』
どうして伏黒君のお部屋?