第7章 伏黒君
分かったって…
『ど、どういうこと?』
気持ち悪そうに額に片手を添える伏黒君。
出会って間も無いとはいえ、こんなに追い込まれてる姿を見るのは初めてで、不安が少し大きくなる。
私みたいな階級が低い呪術師には分からないようなものなのかな…
「この文字は全く分かんねえけど、意味が頭の中に入ってきたんだ」
『意味が…?
呪霊が伏黒君にだけ伝えたい事があったって、ことなのかなぁ』
「恐らくな」
私に内容を教えるかどうか迷ってる?
私と目を合わせた後に息を吐き出しながら目を伏せた、そんな彼の様子から直感する。
でも、教えて貰えないことにはどうすることもできないし…
『もしかして…私と伏黒君、どちらかが死ぬまで戦う、とか?』
そう隣の彼を覗き込むと、首を振って気まずそうに口を開いてくれて、
「違う…俺らが呪霊を祓うために入った建物がなんだったか覚えてるか?」
『えっと…確かホテル?』
「ホテルはホテルでも…ラブホテルだって気付いたか?
あいつは恐らく情欲に関する呪いで、そういう事を神楽と、このベッドでしろっていう指示がそれに書いてある」
『……う、うそ』