第7章 伏黒君
『んっ…』
あれ、私…
ここはどこ…?
目が覚めると、薄暗い部屋のベッドに寝かされていた私。
確か伏黒君との任務中、呪霊を倒しかけた時に変な穴に吸い込まれた、ような?
起き上がって辺りを見回せば、
「神楽、大丈夫か?」
『伏黒君!一緒で良かった…
えっと、任務って…』
「悪い、呪霊の作り出した空間に閉じ込められたんだが…
何をやっても出口が見出せない」
確かに…
そう言われてみると、この部屋には窓も扉も無くベッドが1つ置いてあるだけ。
ベッドに腰掛けていた伏黒君は額に片手を当てて、息を吐き出しながら私の方を向く。
「何か、気付いたか?」
『あの呪霊、倒したと思ったんだけどなぁ。
時間経てば五条先生が迎えに来てくれないかな?』
「そうだな、俺も仕留めた手応えはあった。
…他力本願は危ないだろ」
『そ、そうだよね……あれ、なんだろう?紙?』
私が横になっていた時に下敷きにしてしまっていたようで、2つ折りになっているその紙を開く。
私の顔のすぐ横に伏黒君の顔が近付いて、驚きで心臓がきゅっと締め付けられる。
い、今はそれどころじゃない…!
って、あれ……
『何語だろ、読めないね』
「!!…俺も読めねえと思ったけど……分かった」