第2章 狗巻先輩
『おかか!!』
最低!
そう五条先生を罵ったが、目の前の神楽の様子を見ていると、本当な気がしてきてしまう。
…ちょっと待って。
ベッドの脇に畳んで置いてあるのは、彼女の学ランとスカート…?
ブランケットにくるまり苦しそうに吐息を漏らす彼女…
一気に全身に熱が湧き出る。
そして先生の方に勢いよく振り返ると、
「あ〜、この件の報告書作らなきゃ〜。
じゃあ、よろしくね?」
『おかか!!』
「えっと、多分、ちゃんと気持ち良くさせて呪いの毒?が消えたら、眠っちゃうと思うから、琴音の部屋まで連れてってあげて?
今度たっくさん美味しいおにぎり買ってきてあげる!じゃっ!」
自分の否定の言葉は伝わっていたはずなのに、完全スルー。
勝手すぎる…
あの様子だともう既に数回、先生によってイかされた、ということだろうか。
最低だ。
でも、先生の目が無かったら対処法が分からなかったのも事実だろう。
きっと神楽の今後を考えて、1番傷つかない方法として自分を呼んだのだ。