第2章 狗巻先輩
狗巻side
急に後輩から電話がかかってきたかと思えば、五条先生の部屋に行くように、とのこと。
嫌な予感しかしない。
しかし、後輩の明らかに余裕の無い声色に、"呪言"が必要な何かがあることは確かだと思う…。
コンコン
ノックをして、高菜、とつぶやく。
が、返事が無い。
?
もう一度ノックをしようとすれば、
カチャ、ドンッ…
『!!?』
「お〜!棘!ありがとうありがとう〜!
助かるよ〜、ちょっと琴音がまずくてさ!」
いや、まだ何もしてないのにお礼を言われても。
…琴音?
先程の電話相手である伏黒の同期だ。今のところ、1年は2人しかいない。
任務先で何かあったんだろうか。
そして部屋に通されて、目にしたのは…
『お、おかか!?』
大丈夫!?
そう言うかわりにおにぎりの具を口に出すと、ベッドに横たわる苦しそうな後輩に駆け寄る。
「いやぁ、ちょっと呪い絡みで訳あって、媚薬漬け状態でさ」
『しゃけ…』
この先生…
「棘の呪言で、"イけ"って、4,5回言ってあげてくれない?
そしたら多分治るから」