第6章 七海さん
七海さんと至近距離で目が合い、息を呑む。
確かに、七海さんに、キスしてしまったけれど、
あれは、七海さんの傷を治したいが一心でしてしまったのであって…
そう頭の中で言い訳を考えていれば、彼の片手が私の両手首をまとめ上げて、私の頭の上に縫いとめてしまっていて、急いで口を開いた。
『は、離して、もらえたり、しませんか…』
「先程私を術で椅子に縛り付けておいて、よくそんなことが言えますね」
『な、七海さん、私、高校生だから、は、犯罪になっちゃいますよ?』
「フッ…最後まではしないので安心して下さい。ちょっとしたお仕置きです」
!!
耳の淵を生暖かいものが滑り、それが彼の舌だと分かった頃には、耳の中までそれが差し込まれてして、くちゅりとイケナイ音がする。
脳内に音が響くような感覚に全身に甘い刺激が響き、ぎゅっと目を閉じた。
なに、これ…!
『やっ、だ、だめ…んっ、んん!』
「くちゅ…声、我慢しないで」
『むり…!ひぁっ』
自分の口から出てくる恥ずかしい声や、身体中を駆け回る熱に耐えきれず、目が合った彼を睨むと、クスッと笑われてしまうだけで、今度は反対の耳にも口を寄せられて身体が硬直する。
七海さんの、ばか…!
ゆっくりと私の耳を隅々まで、音が響くように舐められて、次第に下腹部が熱くなっていく不思議な感覚に見舞われる。
『もっ、変に、なっちゃう…』
「可愛いことを言っても、お仕置きなのでやめませんよ」
『うっ、ごめん、なさ…んっ、ぁ、ふ…!』