第5章 夏油君と五条君
悟の無茶苦茶な提案に頷くしかなく、ゆっくり目を開くと、綺麗にくしゃりと笑った悟がそこにいて、ドキリと心臓が鳴った。
そして、鼓動は徐々に速くなっていく。
もしかして、悟、夏油君に嫉妬してたの?
悟が?…そんなことって…
「何1人で百面相してんだよ?…やっぱ、お前、可愛いな」
『なっ、なに、言って…』
そう私の頭をくしゃっと撫でると悟が唐突に口を開いて、
「服貸してやるからどけ」
『へっ、ひゃ、ありがと…』
そう私の脇に手を差し込み少し持ち上げる。
そうだ!私…ショーツしか着てない!
「え、パンツしか履いてない感じ?」
『悟が!悟が、勝手に連れてきたから…!』
「ハッ、送ってやるよ」
かけてあった服を私に優しく投げると、私に背を向けてポッケに手を入れて待っていてくれる。
後ろ姿、カッコ良いな…
あれ、もしかして…着替えるの待っててくれてる?
急いで貸してくれたスウェットに袖を通して、口を開く。
『ありがとう…着たよ』
そう言って立ち上がると、悟が振り返って私の腰を抱き寄せる。
「今日は、そ、の、ま、ま、返してやるよ?」
『!…出来れば、今後もそのままで、んんっ』
「今日だけだバカ。明日は抱く」
少し深いキスが落とされ、慌てて口元を手で隠す。
フッと笑った悟はそう言うと、今度は私のおでこにキスして満足そうに笑ったんだ。