第5章 夏油君と五条君
私のその言葉で、私の耳を犯していた悟の舌がピタリと止まった。
恥ずかしさと全身の痺れるような感覚に耐えきれず、思わず"なる"と言ってしまった。
悟が少し離れて、私と目を合わすとゆっくりと口角を上げ、それと同時に背中に冷たい汗を感じる。
『ぁ、やっぱ…「今の無しとか言ったら、ぶち犯す」』
『ひっ……きゃあ!!』
恐ろしい言葉に続きが言えなくなり目を見開いた。
固まっていれば、背中に腕を回されて身体を起こされる。
なに、これ…!
悟の膝の上に乗る形になり、同じ目線に悟の目があって、思わず横を向いた。
悟の硬いモノが私の中心に当たってる…?
「こっち向けよ琴音」
『無理、だよ…』
「彼氏の目くらい見ろよ。…琴音」
ずっと横を向いたまま、何も言えずに数秒が経過する。
悟の腕はずっと私の背中にまわったまま。
頬に刺さる視線が痛い…
「おせぇ…」
『んっ!』
!!?
指で顎の向きを変えられ、優しすぎるキスが降ってくる。
さと、る?
「これからずっと、頭の先からつま先まで俺以外の男に触らせんな。いいな?
それで、傑の事、チャラにしてやる」
『わか、りました…』