第5章 夏油君と五条君
言われた通りに夏油君を見れば、耳元でそう呟かれる。
耳に彼の息がかかると、身体が緊張して再び目を瞑った。
太腿を撫であげられて腰、胸と順に登っていく彼の手がやけにゆっくりで、
『ぁ、や…!んっ…』
「緊張をほぐすのは得意なんだ」
至近距離で目が合えば、ゆっくり唇が重なる。
気持ち良い…
優しいキスに翻弄されていれば、気付けば私は下着のみしか身につけておらず、少し起き上がった彼がTシャツを脱いだ。
!!
急いで顔を背け、再びドクドクと鳴る心臓に胸を抑えた。
彼の指が私の顎に添えられ、クイッと顔の向きが戻される。
彼の鍛えられた身体を直視し続けられる自信もなく、目をつぶれば、
『ひっ、ぁ…!んんっ!』
首筋を舐め上げられ、鎖骨を甘噛みされ、さらにはブラジャーのホックも外されてしまう。
『んんっ、ぁ、ふ!げとっ…くん!』
「くちゅ…どうかしたのかい?」
『それ、だめ…!』
「フッ、…残念。やめてあげないよ」
両手首は顔の横で押さえられ、胸の先の周りだけをゆっくりといやらしい水音を立てて舐め続けられる。
もどかしさで脚を閉じようとしても、彼の身体が脚の間にあって叶わない。
早く触れて欲しい、のに…