第5章 夏油君と五条君
『や、だ…!お願い…!見ちゃ、やだ…』
頭を左右に振りながら、私の部屋着のボタンを外す夏油君の腕を掴んだ。
優しすぎるキスで頭がぼーっとしていたけれど、急に目が覚めたように恥ずかしさが込み上げてきたのだ。
彼と目が合えば、フッと笑われて両手首を頭の上で抑えられて、
「悪いが、琴音が欲しくてここに来ている。
あの時、呪いになってしまいそうだった琴音を助けたこと、忘れてはないよね?」
最後の問いかけにぴくりと身体が揺れて、申し訳ない気持ちが込み上げてくる。
伏せた視線を彼に戻せば、クスクスと笑っていて…
「琴音は面白いね。
可愛いらしくて、悟のモノでも欲しくなる」
『悟の…?』
「今日から私のモノにしたいものだね。
…目を瞑って?」
まただ…
従ってはいけないと分かっているのに、彼の丁寧な物腰のせいか身体がすぐに彼の指示通りに動いてしまう。
瞼を閉じ終えれば、すぐに唇に柔らかい感触と彼の息が顔にかかり、身体が揺れた。
『んっ…!ぁ…』
「私を見て。そう、良い子だ」