第5章 夏油君と五条君
「おい神楽!腰が入ってないぞ!」
『は、はい!』
私が訳の分からない呪いに襲われてから数日がたった。
先生に注意されて、グッと腰を落として集中しようとするが、
"今度、もらいに行くからね"
視界の隅に夏油君が映り、先日の彼の言葉が頭の中でハッキリと再生される。
ダメだ!集中しないと…!
彼のことを意識から外すように、そう息を吐き出していれば、
『きゃあっ!』
「はーい!また俺の勝ち。
なんか今日、いつにも増して弱くね?」
『うっ…』
私を転ばせた悟が、そう言いながら手を差し出してくれる。
これ以上目を合わせたらまずいと、顔を背けながら彼の手をとれば、
!?!
ち、近い…!!
かなり強い力で引き上げられて、思わず抱きつく形になってしまう。
驚きと恥ずかしさで、思わず片手で胸を押さえれば耳元に口を寄せられて、
「傑となんかあったろ?バレバレ」
『そっ、そんなこと…!』
「そんなことって何んだよ?
今ここで熱いチューすんぞ。答えろ」
『っ〜〜〜〜!』
正直に話すのもここで悟にキスされるのも、絶対に嫌。
かといって、逃げることも出来ずにいれば、