第5章 夏油君と五条君
汗で肌に張り付いたキャミソールは、琴音の身体のラインをより色っぽく映し出していて、ごくりと息を呑んでしまう。
「あ、つ…ぅう」
流石にと思って脱がすことはしなかったそれを、横たわる彼女は不快そうに力の入らない腕で脱ぎ始める。
!?
参ったな…
ゆっくりと息を吐き出して、彼女を大きなバスタオルで包み抱き上げる。
覚悟を決めたというよりは、どうにでもなれと思ってしまったというのが正しい。
『今なら誰も風呂にいない、はずだよな』
使っていたとしたら一瞬で気絶させて夢だと思わせよう。
そう心の中で頷き、目的の場所に歩いていく。
『琴音、もう少し我慢してくれ』
「ふ、ぇ…げと、くん?」
『…その調子で、今日の記憶を飛ばしてくれるといいんだが』
夏油side.end