第5章 夏油君と五条君
一瞬、いつも飲み込んでいる呪霊よりも熱くて、不快なものが喉まで来たのが分かり、吐き出して片手で握り潰す。
はぁ…
深く息を吐き出してから琴音を見下ろせば、苦しそうに息を切らしている。
それもそうだ。
身体に異物…しかも呪いの塊が入り込んでいて、何も無いわけがない。
汗ばんだ身体をどうにかしないと風邪を引いてしまうかな。
『琴音、起きれるかい?
私は外に出ているから着替えないと…』
「や、だ…!行かない、で…」
『!…風邪を引いてしまうだろう?』
「ん、ぅ…あつ、い……脱がして…」
困ったな。
正気ではないとはいえ、まさか彼女にそんな事を言われるとは…男としては嬉しいチャンスであることは間違いないのだが、ただ、悟のことが頭にチラついた。
まあ、黙っていれば大丈夫か。
元々そういう賭けをしていたくらいだしと自分に言い聞かせて、横になっている彼女の隣に腰をかけ、ボタンを外していく。
綺麗な顔立ちに真っ白な身体。
確かにこれは襲ってしまいたくなるなと思いながら、シャツを脱がせ、キャミソール姿になった彼女をまじまじと見てしまう。