第5章 夏油君と五条君
「悟も硝子も任務らしいよ。休みの日なのについていないね」
『あっ!そうだったんだ!見かけないと思ってたんだけど…』
「ふふっ…」
!?!
私、わ、笑われてる?
どうして笑われているか分からずに目を見開けば、
「危ないよ?こんな低級な呪いに気が付かないなんて」
グシャッ
夏油君がそう言いながらも、私の足下に居たらしい呪いを踏み潰す。
『え?』
彼の呪いを祓うスピードの速さに間抜けな声が出てしまう。
夏油君と2人っていう状況に緊張していた、なんて、絶対言えない…!
『あ、ありがとう!
ごめん、気が付かなく、て…へ?ひあっ!』
途端、片足を掴まれたような噛まれたような不思議な感覚とともに、激痛が全身に走り出す。
まさか、天元様の結界のすぐ手前で何かに襲われるなんて想いもしなかった。
今、夏油君に注意されたばかりなのに…!
そう思いながらも倒れ込んだ私を、目の前の彼が受け止めてくれる。
「琴音!?」
『ふ、ぁ…なに、か…入って、きた…っ!』