第4章 憲紀君
『……んっ』
目を開けば見慣れた私のベッドの上で、カーテンからは午後の日差しがささっていた。
あれ、私、寝ちゃってた…?
憲紀、まだ寝てる…
起き上がり、気持ち良さそうに寝ている彼の髪を撫でれば、机の上に置いてある婚姻届とボールペンが目に入ってしまう。
ちゃんと、書かなきゃ…!
そう思いながらベッドを抜け出し、近くに畳んであるシャツを着てペンを持った。
少しの緊張はあるものの、婚姻届をサラサラと書き進めていれば、
ドンッ
『きゃぁっ!?』
「おっはー!今日2回目の挨拶だね⭐︎
って、あれあれあれ?
えっちな格好しちゃって…ナニカあったのかなぁ?」
『やっ…!五条先生!
っていうか、勝手に入って来ないで下さい!』
そう楽しそうに口角を上げた先生がいて。
下着とシャツしか身に付けていなかったのは、もう見られてしまったとは思うけれど一応制服を急いで身につける。
ほんっと、この先生…!
恥ずかしい思いに少しの苛立ちが混じり、顔を背ければヒラリと用紙を持ち上げる音がして…
「おっ!ちゃんとかけてるじゃない!
これもう持っていかなきゃだからさ、
30分後に憲紀起こしてグランド集合だよ!遅れちゃダメだからね!」
『えっ、せんせ…?
…消えちゃった』