第1章 惨劇の日
「ちょっとエレン・・・」
私がエレンを落ち着かせようとした時1人の兵士が笑いながら
「ハハハ・・元気がいいな医者のせがれ‼︎奴らが壁を壊すことがあったらそらしっかりやるさ、しかしなそんなこと100年間で一度もないんだぜ」
「でも、そーやって安心している時が危ないって父さんが言ってたんだ‼︎」
「確かにそうだが、奴らにこの50mの壁をどうこう出来るとは思えねぇんだ」
「じゃあそもそも奴らと戦う覚悟なんかねぇんだな⁉︎」
「ねえな!」
とハンネスは即答した
「なっなんだよ‼︎もう駐屯兵団なんて名乗るのをやめて壁工事団にしろよ!」
「それも悪くねえ!しかしなエレン兵士が活躍するってことはそれこそ最悪の時だ。俺たちが役立たずのタダメシ食らいって馬鹿にされている時のほうがみんなは幸せに暮らせるんだぞ?」
(確かにそのとおりだ、ハンネスさんの言うことは正しい・・でも)
「ハンネスの言うとおりだ。まったく外に出ようっていう調査兵団の連中の気が知れねえ・・」
エレンは思いつめたように
「一生壁の中から出れなくてもメシ食って寝てりゃ生きていけるよ・・でもそれじゃ・・まるで家畜じゃないか」
それだけ言うと素早く家に向かって歩き始めた
「まってエレン!置いていかないで」
しばらくしてから黙っていたミカサが口を開いた
「・・・エレン。調査兵団はやめた方がいい」
「なんだよ・・お前も調査兵団をバカにすんのか⁉︎」
「・・・バカにするとかそういう問題じゃ・・」
カンカンカンカンとミカサの声を遮るように鐘が鳴り響いた
「この鐘は・・」
「調査兵団が帰ってきたんだ‼︎」
エレンが目を輝かせる
「行くぞミカサ!リア!」
正面の門を目指し私達は走り出した