第1章 惨劇の日
845年
まだ惨劇が起こる前・・・
「エレン!・・エレン起きて!」
「帰らないと日が暮れる」
「・・・あれ?ミカサ・・お前・・髪が伸びてないか?」
「そんなに寝ぼけるまで熟睡してたの?」
「そうだよ。エレン熟睡しすぎ」
私がそう言うと少し不機嫌そうに
「リアまでそんなこというなよ・・・なんかすっげー長い夢を見ていた気がするんだけど・・何だったけ思い出せねぇな・・」
「ねえ、エレン。どうして泣いているの?」
エレンの目から涙が出ていた
「え・・・?」
ウォールマリア シガンシナ区
エレンはまだ涙をぬぐっている
「2人とも、誰にも言うなよ・・俺が泣いていたとか・・」
「・・言わない」
「言わないよ。でも理由もなく涙が出るなんて・・一度先生に診てもらったら?」
「バカ!こんなこと親父に言えるか!」
するといきなり門の方から1人の兵士が近づいてきて
「何泣いてんだエレン?」
「うわっ!ハンネスさん」
「ミカサに何か怒られたのか?」
「は⁉︎なんで俺が泣くんだよ!・・・って 酒くさ‼︎」
よく見ると周りにも酒を飲んでいる兵士が数人いた
「昼間から酒盛りですか・・」
「お前らも一緒にどうだ?」
「イヤ・・・あの・・・仕事は?」
「おう!今日は門兵だ!」
「一日中ここにいるわけだから腹も減るし喉も乾く、まあたまたま飲み物の中に酒が混じっていたことは些細な問題にすぎねぇ」
「そんなんでいざっていうときに戦えんの⁉︎」
兵士達は顔を見合わせ
「いざって時って何だ?」
「何言ってんだよ、奴らが壁を壊して街に入って来た時だよ‼︎」
エレンが身をすくめるほどの大声で叫んだ