第66章 I want to be scarlet ✳︎✳︎
「蕩けているぞ」
「あ、ん……」
2人を繋ぐ結合部。そこを彼の人差し指がつつ…とゆっくり辿る。
「杏寿郎さん……」
「どうした?」
私の右頬がそっと杏寿郎さんの左手で包み込まれ、じっと見つめられる。
日輪の双眸に自分の何もかもが見透かされそうだ。
繋がっている所を触れていた彼の右手を優しく掴み、私はそっと口元に持っていく。
「……ここ、こうしたくなり、ました」
ちう、と一度掌(たなごころ)に口付けを一回。
それから親指、人差し指、中指……と愛撫を施し始めると私の中に入っている杏寿郎さんの昂りが少し厚みを増した。
指先から指の付け根までを唇と舌を使って、余す所なく触れる。
いつも自分に優しく触れてくれる彼の手が私は大好きだ。
そんな気持ちを込めて、5指全部を愛撫していくと……。
「俺もして良いか?」
恋人も私の右親指を口に含み、愛撫を始めてくれた。
私達は互いの指を食んでいく。ゆっくり時間をかけて丁寧に丁寧に触れてくれる行為に気持ちが満たされる。
右が終わると次は左だ。あたたかい舌が指先から付け根まで辿っていくと、背中がぞくっと震えた。
そうして左の5指の愛撫が終わると、再度私の両頬がそうっと包み込まれ、あたたかな口づけが唇に届く。
「とても気持ち良かった。ありがとう」
「いえ……私も凄く気持ち良かった……です」
「君がいない日々はもう考えられない」
「ふふ」
「む?俺は真剣に言っているのだが」
「ええ、わかっています」
凄く嬉しいけど、あくまでも自分の方が好きだと言い張る彼がかわいくてたまらない。
「私も一緒です。隣にあなたがいない日々は想像出来なくなっています」
「嬉しい物だな」
「んっ……」
彼がまたあたたかくて、優しい口づけをくれた。