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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第65章 年越しは3つの日輪と 〜another story〜✳︎✳︎



「千寿郎くん、それ私も気になって隊士時代、店員さんに聞いた事があるの。男性と女性の味覚に違いがあるんだって。ここじゃ何だから神社に向かう途中でも良いかな?」

「味覚ですか?……はい、わかりました」


私が聞いた話はこうだ。

女性には月に一度体の波長に変化が起きる時期がある。いわゆる「月経」と言う現象だ。当然私にも該当する体調の変化なのだけど、これが味覚に変化を起こすらしい。

「言われてみれば、七瀬だけが作った日は時期によって味付けが違う。そう感じた時があるぞ!」

「杏寿郎さん、それが食事処の大将に男性が多い1番の理由なんだそうです」

男性女性の大きな違いが月経があるかないか、である。

「男性は女性程、毎月大きな体調の変化はありません。だからこそ変わらぬ味を提供出来る。お客さんも日によって味付けが変わったらきっと混乱してしまいますよね? お店に行かなくなるなんて事が出てくるかもしれません。食事処や甘味所の大将に男性が多いのはそう言った理由からなんだそうですよ」


「姉上、ありがとうございます!とても納得出来るお話でした……。あ、では女性の味覚と言うのはもしかして変化があるから良いのですか?」

「ご名答!やっぱり千寿郎くんは察しが良いね。そうだね、さっき杏寿郎さんがほとんど言ってくれたけど……」

女性の味覚は前述の通り、1ヶ月に一度の体の変化が舌に影響を与える。
お店の味に変わらない物が求められるとするなら、家庭の味は変化があるから飽きが来ない。そう言われているらしい。


「私と杏寿郎さんは同じ呼吸を使っていましたけど、全く違いましたよね?男性も女性も鬼殺をすると言う意味では対等でしたけど、そう言った部分は役割が違うと言うんでしょうか。あまり上手く言えなくて申し訳ないです」

お店を出て、神社に向かう途中でも変わらず車道側を歩いてくれる杏寿郎さんはこれもまた変わらずに私と手を繋いでいてくれている。


元日の初詣に向かう人達は観光名所故に、深夜でもたくさん行き交う為、しっかりと絡めてくれる繋ぎ方だ。

「充分伝わったぞ。それに俺は君の作る料理がとても好きだからな。僅かながらでも気づけていた事が嬉しかった!」


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