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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第65章 年越しは3つの日輪と 〜another story〜✳︎✳︎



瑠火さん……お義母さん、って呼んで良いのかな。
お2人はとても仲睦まじかったと、こんな事も杏寿郎さんから聞いている。

「七瀬、どうやらあそこらしいぞ」

道路側をいつもさりげなく歩いてくれる彼。

こう言う気遣いが出来る男性は本当に素敵だなあ……と思って前方に注目すると、お義父さんも道路側を歩いていた。
どうやらこれも血筋らしい。

親子だから当たり前なんだけど、2人は見た目はもちろん仕草や掛けてくれる言葉がとても似ている。

「わあ……凄い人ですね、どうしましょうか」

真夜中だと言うのにお店の前には15人程の行列ができていた。
その状況を見てやや心配になった千寿郎くんが、隣に立つお義父さんに声をかける。

看板には「亀甲製麺」と書いてある。

「確かに人はそれなりにいるが、店から出てくる人達も多い。麺を扱う店は回転率が速いと聞いた事があるぞ。並んでみよう」

「俺も父上と同じ意見だ!」

この鶴の一声……いやニ声か。そうして、私達は列の最後尾に並ぶ事になった。

10分後。
お店の中から出て来た店員さんが、4人掛けの卓が空いたとお義父さんに声をかけてくれ、私と千寿郎くんは思わず両手を取り合って喜んだ。

そうそう、柱はこう言う予測する力も抜群なんだよね。隊士時代、杏寿郎さんには何回も驚かされたけど、長い年月をかけて染み込んだ経験は、お義父さんにもまだまだ健在の様子。



「年明けうどん……これか。限定50個と書いてあるな。俺はせっかくなので注文するがお前達はどうする?」

4人掛けの卓の椅子に座った私達3人を見回しながら、問うお義父さんに対し ———

「お願いします!!!」
3つの声が綺麗に揃った。

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