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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第65章 I want to be scarlet ✳︎✳︎



「真野もそうですけど、沢渡さんも躊躇なく鬼に向かって行きますよね。3人で任務に行った時、あなたは1人で鬼を殲滅した。あの時の沢渡さんが俺にはとても眩しく見えました」


「だから、俺はあなたや柴崎のように大事な時に…大切な人の為に力を発揮出来るようになりたいです……」

カナヲとの手合わせが終わった後、真野くんがいる部屋に行くと丁度柴崎くんが彼のお見舞いに来ていた。

何か思う事があるかもしれない。
自分の直感が反応したので、私は中庭に行こうと彼を誘い、一緒に来た所そう言われたのだ。


「柴崎くんはさ、恋仲の子っていたりする?」
「え!恋仲ですか……」

想定外の質問だったのだろう。彼の切長の目が一瞬大きく見開かれる。


「…………」
「ごめんね。急にこんな事聞いて。恋仲じゃなくても好きな子、とかでも良いんだけど……」
「好きな子……」

そう呟いた後、後輩隊士は黙ってしまった。
この間1分ぐらいの沈黙。


「……ます」
「ん?ごめん。よく聞き取れなかった。もう一回言って貰えると助かる」

“います………”
今度は先程よりやや大きい声で、そう言ってくれた。

1ヶ月前、毒を使う血気術にかかった彼はその鬼との対戦後、ここ蝶屋敷に運ばれたらしい。
幸い体に入った毒が致死量ではなかった為、次の朝には軽快したけど、その夜は相当苦しかったのだとか。


「単純な話で申し訳ないんですけど、その時おぶってくれた隠の子が蝶屋敷に着くまで何度も何度も自分を励ましてくれたんです。
“私が必ずあなたを送り届けるから頑張って下さい”って。彼女がいなければ俺、気持ちが毒に負けていたと思います……」


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