第65章 年越しは3つの日輪と 〜another story〜✳︎✳︎
「きょうじゅ…強い……ダメ、あ、んんっ」
体も心もたくさん揺さぶられる。彼と繋がった箇所の熱量はどんどん増していき、体温もきっと上昇している。
「七瀬…はあ…愛して、んっ…いる……」
グッグッ……と私の中を彼の昂りが突き上げ、温度を上げていく。それは彼が隊士だった時に使っていた呼吸を彷彿とさせてくれる。
私は呼吸を使えなくなってしまったけど、こうして杏寿郎さんと1つになる度に、彼の熱さを体で感じる度に、生きがいだとまでに思える程に使っていた呼吸を思い出せる。
「私も……杏寿、ろうさんを……愛してる……はあっ…来て…くだ…さい」
それから名前を何度も呼ばれた。
彼の声が一瞬途切れたその瞬間、下腹部から沸騰するかのような熱さが勢いよく放たれた。
熱い、熱い、彼の炎だった。
体の外で感じる熱さと中で感じる熱さは比べものにならなかった。
「熱い、杏寿郎さん……火傷、しそう…です」
「すまん…七瀬……こらえてくれ……」
最奥まで数回炎が昇って来たのち、ようやくそれは勢いを弱めていき、私の中は落ち着きを取り戻していく。
ズル……と彼の昂った炎が抜かれると同時に、溜まっていた白濁も流れ出た。布団に広がった湿り具合から察するに、おびただしい量だろう。
杏寿郎さんは息を少し整えると、白い欲が付着してしている蜜壺の入り口周りをさらっと拭き取った。
それが終わると上から私を覆うように抱きしめてくれた。背中に手を回すと、たくさんの水滴が浮かんでいる。
ぽんぽん、と労うようにそこに触れると私の左耳の近くでふっと笑顔がもれた。
「七瀬の中はとても心地良いのだな。君の肌と一緒で、いつまでもふれていたくなる気持ちよさだ」
「ありがとうございます……」
とっても恥ずかしかったけど、それと同じくらい嬉しかった。
次から次へと溢れる幸せを逃さないようにしなければ。
そんな事も強く感じた彼との情事だった。