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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第65章 I want to be scarlet ✳︎✳︎



「夢中になるのは良い事だが、もう16時半。そろそろ見回りに出かける時刻だぞ?」

そう、今日は杏寿郎さんと見回り。そして今回の編成は彼と私の2人のみである。

「はい、わかりました」

記録帳を閉じ、筆を硯(すずり)に置いた後は太刀掛より日輪刀を外す。左手に持った私は彼と玄関に向かった。









「良かったですね、何も異常なくて」

時刻は21時に差し掛かろうとしている頃合い。先日の単独任務と同じように夜の賑わいで活気付く街中を2人で歩いていた。


「ああ、確かに!何もない見回りと言うのは本当に久しぶりだ」
私の左横を安心した表情で歩く彼は本当に嬉しそう。

— その時 —

ぐ〜っ〜〜〜 ・ぐぐ〜っ〜〜
私達のお腹がほぼ同時に鳴ってしまう。


「…………」 「…………」

右人差し指でお互いのお腹をさし合い、ぶっと笑いが込み上げた。


「あはは!安心したらお腹もすきますよね。そうだ、杏寿郎さん!この先の食事処の肉うどんが絶品なんですよ。行きませんか?」

「む!そこなら何度か行った事があるぞ。確かに肉うどんも絶品だが、俺は月見うどんが好みだ!」

「そうなんですね!以前蜜璃さんが食べてて、次は食べようってずっと思ってたんですよ。今日はそれにしようかな……」

そうして今夜の夕食……もう夜食か。私たちはうどんが待つ食事処に向かった。





「いただきます!!」
彼と食卓に向き合って座り、それぞれ注文したうどんを食べ始めた。
私は月見うどん、彼は肉うどんだ。


21時を過ぎた店内は深夜の勤務に向かうのであろう、作業着の男性達で6割が埋め尽くされていた。
この食事処は目黒川沿いで、お店のすぐ近くにガラスを製造する興業社がある。
そこの従業員だと思われる方達だ。



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