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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第64章 白夜と極夜 〜another story〜 ✴︎✴︎




















「はあ………はあ………はあ……はっ…はあ!!」

『この男、どこまで精神力が強靭なんだ……!』

猗窩座は杏寿郎の心の強さに喜びで打ち震えていた。
この後の炎柱の行動により、それは更に膨れ上がる事になる。



『んっ……杏寿郎さんの体から物凄い熱量を感じる……』
七瀬がその予感めいた物を感じた瞬間 ——


グワッと周囲の空気の温度が上がり始める。
心なしか自分の体感温度も上昇したような……そんな感覚も体で味わっていた。


「杏寿郎……お前……」
猗窩座は予測もしていた。凄まじい一手がこれから自分に放たれると。

「俺は……」
杏寿郎の右足がザッ…と後ろに下がり、刀が右肩の上に構えられる。緋色の刀身が更に深みを増していった。

「俺の責務を全うする!……ここにいる者は誰も死なせない!」


“炎の呼吸 ——— 奥義”


『あれは煉獄の構え?!やめて…………!あんな状態で奥義なんて打ったら………!!』


「七瀬??どうした………」
「おい、お前気でも狂ったのか??」

炭治郎と伊之助が驚く中、七瀬は杏寿郎と同じように日輪刀を右肩の上に構え、右足を後ろにひいた。

そしてありったけの闘気が燃え上がるよう表象(=イメージ)を描き、足元から茜の炎を揺らめかせる。

『私が放つ奥義なんてタカが知れてる……けれど2つぶつける事によってあいつの足止めぐらいにはなるかもしれない………!』



「やはりお前は鬼になれ!杏寿郎!俺と永遠に戦い続けよう!」
猗窩座が高らかに笑った。

「破壊殺 ——— 」
上弦の参が低い構えを見せる。


『心を燃やせ』 『【負けるな、怯むな】』

『限界を超えろ』『【心炎を絶やすな】」


杏寿郎と七瀬の周囲に一際熱く燃える炎が舞い上がる。


「俺は炎柱 —— 煉獄杏寿郎!!」


「玖ノ型 —— 煉獄」
「 —— 滅式」

ダン……!と杏寿郎が右足で地を蹴った。その身に背負うのは赤く燃え立つ炎の龍。

『虎の次は龍か……面白い!!』



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