第12章 炎の柱 vs 炎の継子 +
「そんな状態で続けてみろ。稽古どころじゃなくなるぞ。今日はこれで終いだ」
杏寿郎は静かだが、有無を言わせぬ口調で言う。
「意地をはらずに乗りなさい」
そう言って再度自分の背中に乗るように促した。
「はい。申し訳ありません。失礼します……」
七瀬は遠慮がちに背中に乗った。
「よし。行こうか」
杏寿郎はしっかりと七瀬の体を抱えると歩き出した。
「胡蝶に診てもらうよう、後で要を飛ばしておこう」
杏寿郎は後ろにいる七瀬にそう伝える。
「本当にありがとうございます。師範はやっぱり強いです……今日の稽古で改めて感じました」
七瀬は興奮気味に彼に言った。