第12章 炎の柱 vs 炎の継子 +
「うわっ!!」
くるっと一回転して着地しようとしたが、疲労からかうまくいかずに右足首をひねってしまった。
何とか立ちあがったが歩いてみると鈍い痛みが走る。
「んっ!……痛い……」
それを見た炎柱はスッ……と闘気を抑えたのち、木刀を下におろした。
「大丈夫か?」
立ち上がっているものの、右足をひきずっている七瀬に近づく杏寿郎。
目の前まで来てしゃがむと持参した竹筒に入れてあった水を足に数回かけてくれる。
それが終わると彼は乾いた手ぬぐいで彼女の足首を固定した。2人分の木刀は刀袋に入れて体の前面にくくりつけた。
「帰るぞ」
杏寿郎は彼女の前にしゃがんで、後ろをむいて両手を七瀬の方に伸ばす。
「師範、大丈夫です。まだやれます……って痛いっ!!」
無理に歩こうとすると、またビリッと足に痛みが走る。
おまけに、目に涙も滲んでしまった。