第12章 炎の柱 vs 炎の継子 +
「はあ………はあ……」
七瀬は少し息が上がり始めて来た。
『やっぱり師範は強い。全く決定打が打ち込めない。でも、そろそろ決めないと……私の体がついていかない!』
『ここまでは攻撃、防御共に見事だったがそろそろ体にきたか?どうする?沢渡!』
彼女は再び後ろに飛び退くと、スッ…と息を吸い、呼吸を炎から水に切り替える。
自分が纏っていた闘気もゆっくり消えていった。
「全集中—— 水の呼吸」
『…これで決める気だな』
「炎の呼吸 ——」
彼が闘気を更に練り上げると体全体が紅蓮に包まれる。
そして一度後ろに振りかぶり、そのまま炎の太刀を前方に下ろした。
「拾ノ型・生生流転!」
「伍ノ型・炎虎!」
七瀬はうねる水の龍のごとく、回転しつつ、斬撃を一回、二回、三回。
そしてダメ押しの四回目を出した。
が、それら4つの水龍を全て焼き尽くすかのような紅蓮の大きな大きな虎が自分に向かって真っ直ぐ狙いを定めてやってくる。
開かれた虎の口は今にも七瀬を飲み込もうと言う勢いだ。
『くっ、熱い!!水龍を出しても、この熱……』
「全……集中……炎の ———」
呼吸を切り替え、同じ炎で対抗しようと思ったが、それは間に合わなかった。
杏寿郎の炎の虎に木刀を弾かれた後、自分も後ろに吹き飛ぶ。