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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第60章 茜が沈む、緋(あけ)が昇る ✴︎✴︎



「確かに君の言うように血の質を術で無理に変えた影響もあるのか、七瀬は得意とする型、不得意とする型がハッキリと分かれている。だがそれでも!日々の鍛錬を重ねる事で全ての型を使用出来るようになった」

「だからそれは俺があいつの血を自分に近づけたからであって……」

夕葉の右掌にポッと宿る炎。

杏寿郎に向かって投げつけられるが、それは彼が持つ日輪刀によって弾き飛ばされた。


「呼吸の適正があっても、それを使いこなせるかは隊士本人の弛まぬ努力と諦めない強さが必要だ。中には思うようにいかずに途中で挫折してしまい、使用する事を諦めた隊士もいる」

「何だよ、何が言いたいんだ?」

苛立つ夕葉だ。最も先程から杏寿郎の発言には良い気はしていない。


「七瀬が炎の呼吸を使用出来るようになったのは、彼女がひたすらに研鑽を積んだ結果であり、お前は種を植えただけだ。芽を出し、葉をつけ、そして閉じていた蕾を開かせたのは他でもない七瀬自身。努力に努力を重ねて、1つのみならず2つの呼吸を使いこなせるようになった。1番近くでそれを見て来たんだ。その軌跡を馬鹿にする事は師である俺が断じて許さん」


杏寿郎の体から闘気が再び舞い上がり、炎刀を右肩の上に構える。


「捌ノ型 ——— 烈火の舞雲」

放たれたのは日輪刀から上空へ螺旋状に舞い上がっていく炎の龍。夕葉が先程放った白い龍とは違い、紅く暖かみがある物だ。


「ふーん。天高く舞い上がる龍か…… じゃあ俺は……」

鬼は右手の人差し指と中指を立て、スウッと息を吐いた。


「血鬼術 —— 白炎の騎虎(びゃくえんのきこ)」

瞬間、青白い炎を纏いし、猛々しい白虎が夕葉の前に出現した。










一方、その頃。
善逸と禰󠄀豆子は駆けつけたカナヲと白龍と対峙していた。

「花の呼吸 肆ノ型 —— 紅花衣(べにはなごろも)」

「雷の呼吸 壱ノ型 —— 霹靂一閃」

「ムー!ムー!(血鬼術 —— 爆血!)」



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