第12章 炎の柱 vs 炎の継子 +
『さて、どの型から攻めてくるか……』
杏寿郎は闘気をじわじわと出したままで、これから向かってくる七瀬を見据える。
『きっと何を出しても、師範には見切られる。だったら基本に立ち返って………』
「全集中 ——— 炎の呼吸」
七瀬は呼吸を整えた後、右足を後ろに下げて、踏み込む姿勢になる。
『基本に戻る、と言う事か。では……』
杏寿郎も呼吸を整えて、集中力を高める。
「炎の呼吸 ———」
「壱ノ型・不知火」
七瀬は腰と足を一度グッと落とした後、思いきり地面を蹴り、一気に杏寿郎との間合いを詰めた。
「弐ノ型・昇り炎天」
七瀬の木刀が繰り出す烈火の薙ぎ斬りを時計回りの方向に振り上げて回避する……が。
『なるほど、まだあるか……』
杏寿郎が察した次の瞬間 ——
七瀬が再び不知火の型を放つ体勢に入る。