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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第60章 茜が沈む、緋(あけ)が昇る ✴︎✴︎



「………おい」
「どうした?」

「いせじんぐー?ってのは美味いのか」

「美味い?ああ!空気の事か?俺も一度しか参拝した事はないが、とても神聖な場所故、大層うまかったぞ!」



「あのー……2人とも話噛み合ってませんよ……」

「む?」 「あぁっ?」

互いにすれ違った思考で会話していた杏寿郎と伊之助に冷静に突っ込みを入れたのは、伊之助と先程まで取っ組み合いのやりとりをしていた善逸だ。

伊之助に引っ掻かれた傷の手当てを千寿郎に受けながら、じとっとした目線を2人によこしている。


『こんな噛み合わない2人で大丈夫なのかな?』

そう感じた七瀬も同行者の有無を杏寿郎に尋ねる。


「俺達以外に2人隊士を連れていく!階級はまだ癸(みずのと)だが、とても有望だ。確か七瀬と以前任務に行った事があると聞いたぞ?」

「あっ、もしかして柴崎くんと真野くんですか?」
「いかにも!」

この2人は共に実弥と同じ風の呼吸を使う隊士だ。

柴崎は視野が広く、冷静かつ大胆に攻撃出来る。
真野は状況判断が上手く、技巧派。
実弥の剣士としての性質を丁度二分したような隊士達である。

「良かった。2人共、凄くしっかりしてるので安心しましたよ」

「安心?」

「はい!」

いまいちピンと来ていない杏寿郎だったが、七瀬は口に出した通り、とても安心していた。尚これは炭治郎と善逸も同じように抱いた感情だ。



「炎柱様、みなさん。こんにちは!鍛錬お疲れ様です。伊勢と鹿島の任務に必要な物についての相談に参りました」

その時、煉獄邸の庭に1人の女隠が現れた。名は大迫亜佐美。因みに柴崎とは恋仲である。


「大迫少女、君もお疲れ様!内田くんの具合はどうなのだ?」
「はい、後1週間程で完治と言っていましたよ」

内田 — 煉獄邸専属隠の彼はここ3週間姿を見せていない。


「長友さん、普段は穏やかなのに、勝負事になると本来の性分が目覚めるんですよね。内田さんも得意の蹴鞠だからって熱くなってしまって……」

結果、2人共に仲良く右膝を疲労骨折してしまい、療養中だ。


「不死川さんの所にも交代で行ってるんだよね?大丈夫?」

七瀬は亜佐美に気になった事を聞く。


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