第10章 師範と継子 +
兄弟の優しさにしんみりしていると突然元気な声が門扉から聞こえて来た。
「いっちばーん!おい!紋逸、三太郎!俺の圧勝だったな!わっはははー!」
「はあ、伊之助は速いな……!」
「ちょっと七瀬ちゃん!何美味しそうなもの、食べてんの??」
炭治郎、善逸、伊之助の3人が走り込みから帰って来た。週に一度は合同稽古だ!と称してひと月前から一緒にやっている。
「お疲れさま!いっぱいあるから、これから一緒に食べようよ」
私が焼き芋を全部食べ終えて、3人に駆け寄ろうとした時 ——
「よし!全員揃ったな。ではこれから2人1組に分かれて手合わせ!それが終わったら1人ずつ、俺と地稽古だ!」
師範から鬼のような発言が飛び出した。
「ええっ?」
泣きそうな善逸。
「うおっ?」
目が輝いた伊之助)被り物で見えないけど、多分そう)
「……はいっ!」
再度やる気を見せる炭治郎。
「え?あの、師範?私もですか?」
「そうだ。早く用意してきなさい」