第57章 緋星(あけぼし)喰われしその時に、心炎で天蠍を衝け ✴︎✴︎
「では、皆頼んだよ。100年に一度の大事な行事だからね」
「御意」
お館様の前にいる11人全員が返事をして、それぞれ立ち上がる。
「じゃー俺、嫁達待ってっから。帰るわ…」
「伊黒さん♡今日のパンケーキは何をかけて食べる?」
「そうだな……黒蜜はどうだろうか?」
「不死川さん、たまには手合わせしますか?」
「おっ、珍しいなァ。時透、どうしたァ?」
「悲鳴嶼さん。私は姉さんのお墓参りに今から向かうのですが、どうされますか?」
「では、私も共に行こう」
杏寿郎さんと冨岡さんを除く柱の方は、それぞれ帰路についた。
残された私達は、と言うと……ご息女達に産屋敷邸の客間に通されている。これからお館様とあまね様がここにいらっしゃる為だ。
「まずは北方から説明していきますね。金牛宮と言うのは牡牛座の事です。杏寿郎さんは5月10日生まれなので、ここに該当します。
続いて……」
東方の宝瓶宮。これは水瓶座の事で、2月8日生まれの冨岡さんが当てはまる。西方の巨蟹宮は蟹座だ。7月14日生まれの炭治郎が該当者。
「南方の白羊宮。これは牡羊座の事です。私は4月9日生まれなので、ここに当てはまると言うわけです」
自分が持参した星座の書籍を3人に見せながら、先程の会議であまね様が話されていた件……将門塚の再建について詳細を話した。
「これまでに再建して来た隊士の4人は、皆さん私達と同じ炎と水の呼吸の使い手なんですよね。4つの方角に該当の星座の隊士が向かうと言うのも同じ…」