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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第54章 霞明ける、八雲起きる


〜無一郎から見た景色〜



沢渡七瀬。

煉獄さんの継子。3ヶ月〜4ヶ月に一度開催される柱の集まり…と言う催しがあるのだけど、人にあまり興味がない自分は参加をした事がなかった。
何か理由をつけて断っていたのだけど、ある理由で参加を決めた。


炎柱の継子が蟲柱の胡蝶さんと手合わせをする。

鎹鴉の銀子から聞いた時、何故か心が反応した。
彼女は日輪刀の色が二度変わったと言う理由で、緊急柱合会議に一度呼ばれた事がある。


この日初めて顔を合わせたのだけど、僕は記憶が混濁していて正直覚えていない。けれど、空を飛んでいた鳥の名前が何だったか。それだけはぼんやりと記憶に残っている。

胡蝶さんとの勝負の日。七瀬は引き分けた。

少し驚いた。
継子が柱に引き分けた。この事実が自分の中にある何かに反応したのか。

興味が湧いた。
ただし、異性としてではなく剣士としてだ。


手合わせが終わった後、話す機会が出来たので自分とも勝負してほしい。そう伝えると断られた。
この日は仕方ない…。これで終わると思っていたけど、日に日に七瀬と勝負したい気持ちがむくむくと膨らむ。


月に一度の割合で手紙を出す。断られる。次の月も手紙を出す。また断られる。このやりとりを何回しただろうか。
それは突然の出来事だった。了承の返事が届く。


やるからには真剣勝負で。その旨を彼女に伝え、とうとう勝負の日がやって来た。






攻めてこない彼女に弐ノ型の八重霞をまず、放つ。すると螺旋状に上昇する炎の竜の斬撃が、霞の型を受け止めた。


型同士が相殺し合った後は、すかさず打ち込んでいく。七瀬が受ける。自分が攻める。このやりとりを5分程した所で、彼女が木刀を弾いて後ろに飛んだ。

木刀を右手に持ち、左掌を正面に向け、そのまま助走をした後は右足で地を蹴る。


「陸ノ型・改 —— 心炎突輪・散!(しんえんとつりん・さん)」


彼女の木刀から炎の刺突が5つ。放射状に放たれた。

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