第2章 紫電一閃、青天の霹靂 ✴︎✴︎
彼は先程から心が煮えたぎっている私の様子など全く気にせず、バカにしたように綺麗に整っている顔で笑った。
かと思えば、手刀で私が持っていた日輪刀を素早く落とし、後ろに回るとあっと言う間に私の両手を拘束した。
瞬き1つするかしないかと言って良い、一瞬の出来事だった。
「離して!痛い!」
右手一本しか使ってないのに……凄い力だ。
一応辛く厳しい稽古で鍛えた身なのに……全く力が敵わず、そこから抜け出す事が出来ない。
「やっと俺の手元に捕まえたんだ。離すわけないだろ。喜べ、お前はこれから俺に喰われる」
「誰があんたなんかに………!」
「あー動くだけ無駄だ。俺から離れるなんて無理だからな」
ますます握られている手にギリギリと力を込められた。
痛い。とにかく痛い。骨が折れそう。それでもなけなしの力を使って、精一杯の抵抗を試みる。
曲がりなりにも自分は鬼殺隊だ。簡単に諦める事なんて出来やしない。
してたまるもんか!