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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第52章 柱稽古に八雲挑む、の巻


「何か気になる理由があるの?」
パッチリとした若菜色(わかないろ ※1)の彼女の双眸は今日も綺麗で、見惚れてしまう。

「はい、実は……」
理由を蜜璃さんに伝えると、なるほど!と目を輝かせてくれた。


「七瀬ちゃんは本当によく人を見ているわね〜。感心しちゃうわ」

「ありがとうございます……だからどうしても伊黒さんと鍛錬したくて、お手紙で何度かお願いしているんですけど、もう悲しいぐらい相手にされなくて…」


「くだらんし、しつこい。俺にはお前の無駄な悪あがきに付き合う時間などない」

この切れ味が鋭い返答に5回程一刀両断されており、その度に私の心に鮮やかな傷が舞い踊った。


「七瀬ちゃん、私からお願いしてみるわ」
「え……良いんですか?」
天の助けとはこの事だろうか。蜜璃さんの後ろに後光が見えた気がした。


「もちろんよ、可愛い妹弟子が困っているんだもの。姉弟子としては何とかしてあげたいわ」
「蜜璃さん……ありがとうございます…嬉しいです…」
私は神様のような姉弟子に心の中で、こっそりと手を合わせたのだった。




—————と、こんなやりとりの結果。無事に伊黒さんと剣を交えるわけになったのだけど……!



「蛇の呼吸 壱ノ型 委蛇斬り(いだぎり)」
木刀から繰り出す太刀筋が全く予想出来ない軌道を描いて、自分に向かって来る。

『わ……予測しづらい!それなら…』



—————————————————
※1………明るい黄緑色

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