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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第49章 爪に緋色、唇に曙 、心に桃色をのせて +



神社を出た後は、蔵造りの建物が立ち並ぶ川越の一番街にやって来た。左手奥には「時の鐘」と呼ばれる鐘楼(しゅろう)が見える。

明治26年(1893)に起きた川越大火の翌年に再建された物で3層構造。高さは約16メートルだ。


時の鐘は後で向かおう…と約束して、私と杏寿郎さんが向かったのは「中川屋」と言う甘味処だ。因みに食事も出来るらしい。


「あ、さっき言いかけましたよね?あれってどんな事だったんですか?」

お店に入る前、私は彼に質問をしてみる。


「うむ、実はな。ここは父と母がよく来ていたお店らしいぞ!」
「えー素敵ですね。それは、ますます楽しみです」

引き戸をガラガラ…と開けると、飛び込んで来たのは店内で食事をしているたくさんの人達。

席はどこか空いてないかな…と20畳程の広さの中を見回していたら、何だか見覚えがあるひと組の男女。


「え? 炭治郎にカナヲ?」
「む? 竈門、少年……??」

「煉獄さん!七瀬!」
「こんにちは。炎柱様、七瀬ちゃん」

1番奥の席に向かい合って座っている、弟弟子と友人がそこにいた。









「やはりあの風鈴か!」
「はい、カナヲが行きたいって言ってくれたので……」

2人の正面に座った私と杏寿郎さん。彼は早速炭治郎と話し始める。



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