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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第49章 爪に緋色、唇に曙 、心に桃色をのせて +



柚葉色(ゆずはいろ ※1)の浴衣に黒の市松模様(※2)の角帯を巻いている炭治郎。

禰󠄀豆子の着物と同じように、麻の葉文様(※3 あさのはもんよう)の桃色の浴衣を着ているカナヲ。腰に巻いている帯は黒で、模様も浴衣と同じ麻の文様。

綺麗な黒髪は頭の上でお団子にして、生成りの玉簪(たまかんざし)で止めている。


2人の浴衣と帯の色合いが素敵なのはもちろん、お互いが醸し出す雰囲気に少しだけ艶やかさを感じるのは多分………。


炭治郎は男っぽさに磨きがかかり、カナヲは可憐さが増している。
あれから上手く行ったようだ。私は心の底から安心した。


「杏寿郎さん、ここのお店は何がお勧めなんですか?」
「ああ、食事は何でも美味いそうだ。甘味はあんみつとみたらし団子…それからカステラが絶品だと父上から聞いたぞ」


カステラ……!

あんみつとみたらし団子も魅力的だけど、1番の好物の名称が耳に入る。
口の中が途端に湿り出した私は慌てて右手で口を押さえた。

その様子を見た杏寿郎さんがくつくつと笑い出す。


「もう……花より団子って言いたいんでしょう?」
「いや、そう言う訳ではないのだが……」

君は本当に退屈しないな、と左肩にポンと手を乗せられる。

「こんにちは!ようこそ川越へ。ご注文はお決まりですか?」
そんなやりとりをしていたら、自分と同じ歳ぐらいのかわいい女の子が注文を取りに来てくれた。








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※1…… 濃く暗い緑色

※2…… 格子模様の一種で、二色の四角形(正方形または長方形)を交互に配した模様

※3……大麻の葉をあしらった図柄。麻柄ともいう。

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