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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第49章 爪に緋色、唇に曙 、心に桃色をのせて +



境内の入り口に大きくそびえ立つ朱色の大鳥居が私達の目の前に見える。
木製の鳥居としては日本一の大きさのようで、高さは約15m。

私がそれを隣の杏寿郎さんに伝えると「ほう!」と実に興味深そうに鳥居を見上げた。

鳥居をくぐる際に一度止まって一礼をし、左足から踏み出す。

これは「進左退右(しんさたいう)」という作法だ。

中央は”神様が通る場所”とされている為、右側又は左側からくぐるのが通例とされているけれど、今日のように人が多くて混雑している時…神様と正面から対峙する場合は左足から進み右足から退くのが正しい作法との事。

だからやむを得ず、中央を歩く際には左足から踏み出すと良いみたい。

次に手と口を清める為に手水舎(てみずや)へ。
手を洗い、備え付けられている柄杓(ひしゃく)で口を軽めに洗った後は参拝の為に本殿へ向かった。

そこには木の良さを生かした”江戸彫(えどほり)”と呼ばれる関東特有の精緻な彫刻が全面に施されている。

並んでいる人の波が少しずつ前に進んで、私達の順番がやって来た。

私は持っている巾着から、杏寿郎さんは信玄袋(※1)に入れている財布からそれぞれ小銭を一枚取り出し、お賽銭箱に入れる。

その後は一度姿勢を正し、深いお辞儀を2回した。





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※1……底板があり、口紐で結べる布製の手提げ袋の事
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