第8章 炎の息吹が開く時 +
「お館様。他の柱の姿が見えないようですが」
煉獄さんは柱の方達が自分以外いない事に大分疑問を持っているようだ。
「ああ、杏寿郎、実は先程もう柱合会議は済ませたんだよ。君には個人的にお願いしたい事があってね」
「……と言いますと?」
私の左側に片膝をついている煉獄さんからは一体何を言われるのだろうか、そんな表情が見てとれた。
「七瀬、杏寿郎には話しているのかな?」
「いえ、申し訳ありません。行き違いがありまして……まだ……」
「わかったよ。それじゃあ度々で申し訳ないのだけど、また日輪刀を見せてくれないかな?」
お館様は柔らかく微笑むと、私に抜刀するように促した。
「はい。それでは失礼致します」
私はゆっくりと立ち上がると、先程と同じように腰に刺している日輪刀をスウっと静かに抜刀する。
そしてそのまま両手で持って目の前に構えた。
「!……これは……」