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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第8章 炎の息吹が開く時 +



残念?
それってどういう??
私が煉獄さんに聞いてみようとした瞬間——-


「お館様、再度おなりです」

かわいらしい声が響いた直後。鬼殺隊97代目当主、産屋敷耀哉様が再び私の前に姿を現した。









「杏寿郎、よく来たね。待っていたよ。それから七瀬、待たせてしまって悪かったね」

お館様が脳に響く心地よい声で、私達2人にそう言った。

「とんでもありません!素晴らしいお庭をたくさん堪能出来て幸せでした!」

私は普段より大きめの声でお館様に返答してしまった。
だってこの声を聞くと、とても暇を持て余していた……とは言えない。言えるわけがない。


「巧の事はとても残念だったね。本来ならここに来て鳴柱の襲名をしているはずだったのだけど」

「………」

「きっとみんなに慕われる鳴柱になっていたと私は思うよ」

「そのようにおっしゃって頂けて私も嬉しいです。ありがとうございます」



涙が出そうだった。
だって本来なら私じゃなくて彼がここにいるはずだったのだから。



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