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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第49章 爪に緋色、唇に曙 、心に桃色をのせて +


「素敵ねぇ」 「役者さんかな?」 「わっ!目が合ったかも…」

女の子同士で来ている人は元より、隣に恋仲の相手がいる人も。
こんな言葉と目線を杏寿郎さんに投げかける。

この現象も毎度の事だし、慣れては来たけど…私のため息が出るのも毎回だ。

いつも一緒にいて当たり前になっているから忘れがちなんだけど、杏寿郎さんは外見だけで、たくさんの人を惹きつけてしまう。
女の人はもちろん、おじいちゃん、おばあちゃん、子供達…等。


そんな彼の本日の服装……長い髪は頭の上で1つ結び。2人で出かける時は必ずこうしてくれるようになった。

着ている常盤色(ときわいろ ※1)の浴衣は誕生日の前日に槇寿郎さんと千寿郎くんと一緒に出かけた際、反物屋に寄って注文したとの事。腰に巻いている角帯(※2)は黒の格子柄(こうしがら ※3)


落ち着いた色が本当に似合う。これが彼の金色の髪をより輝かせていると私は思う。

対して自分はと言うと、菱形が散りばめられた中紅花(なかくれない ※4)の浴衣に装飾無しの水色の帯を文庫結び(※5)にしている。

常盤色の浴衣を注文した際、私の浴衣も頼んでおいてくれたらしく、これには本当にびっくりした。聞かされたのは昨日。


「継子になって一年の節目」「階級が上がった祝い」
しきりに恐縮していたらそう言われてしまったので、有り難く。そして快く受け取った。








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※1……
松や杉などの常緑樹の葉の色のように茶みを含んだ濃い緑色。

※2……
チェック柄の事。

※3……
二つ折りで固く仕立ててある、男用の帯。

※4……
明るい薄みの紅色

※5……
リボン結び


浴衣の色は恋どこ18章とリンク付け。

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