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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第47章 心炎八雲、甘い色香に混ざり合う ✳︎✳︎ +


「捌ノ型は玖ノ型に繋がる型だろう?」

「え、あの一瞬でそこまで把握を??」

信じられない……鳩が豆鉄砲をくらうとはこの事か。七瀬がそんな表情をしてぽかん…と口を開けて俺を見ている。

「煉獄と同じように捌ノ型は炎の龍の斬撃だった。なるほど、と即座に思ってな。きっと型の出し方は似ているだろうと判断した」

「そう言う理由から玖ノ型を出す要領で放った所、あの通り形になったと。そう言うわけだ!応用から基礎に戻る。段階を1つ落としたと言えば良いだろうか」

「……本当に杏寿郎さんは凄いとしか言えません」

流石です…と口に出すと、腰の柔軟を切り上げた七瀬は俺の元に駆け寄って来た。

「昨日忘れてました。いつものあれ、やっても良いですか?」

いつものあれ……それは七瀬が稽古終わりに施してくれる爪の指圧だ。

「ああ、では頼む」
俺は彼女と縁側に向かい、隣り合って座るといつものように右手を彼女の左手に載せる。

「始めますね」
そう七瀬が言った後、グッ…グッ…と指圧が開始される。

「君の指圧は本当に丁度よい塩梅だ」

「ふふ、嬉しいお言葉ありがとうございます。炎の呼吸はここから放たれますからね。いつでも思い通りに出来ますように…って思いを込めて押してます」

ニコッと笑う七瀬が愛おしい。



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