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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第47章 心炎八雲、甘い色香に混ざり合う ✳︎✳︎ +




翌朝、六月十七日。

「おはよう、七瀬!朝稽古をやるぞ!」
隣で気持ち良さそうに寝ている恋人にそう声をかけると、眉間に皺を寄せる七瀬。

「んん、杏寿郎さん、腰が辛いです……」
開いた焦茶の双眸には戸惑いの感情が宿っている。

「すまない、それは本当に申し訳ないとしか言えないが…」
彼女の左頬をゆっくりと撫でた後は唇に口付けを一回贈った。

「しかし、稽古は別だ。鬼殺は待ってはくれない!」
「ええ……」
しぶしぶ起きて身支度を済ませた七瀬と共に庭に向かった。







朝稽古が終わると、杏寿郎さん…と声をかけられる。
「どうした?」
腰の柔軟をやりながら、彼女はこう続けた。

「稽古で出来ない事は実践では出来ない。ではなかったのですか?」
じと…とねめつけるような視線を寄越す七瀬。

さて、何の事を言っているのか。俺は少しだけ考えを巡らす。
ああ、捌ノ型の事か。

それを口に出すと、相変わらず察しが良いですね…と彼女は俺に言った。

「昨日捌ノ型は初めて見たはずです。なのに何故初見だけで杏寿郎さんは出来たんですか?」

「うむ…一言で言ってしまえば、例外だな!」
「え?例外?」

七瀬は顔に疑問符をたくさん浮かべて聞き返して来た。


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