第8章 炎の息吹が開く時 +
………ゆっくりと手紙を書いた時の事を思い出してみる。
確か物凄く動揺して、お館様と煉獄さんに宛てて書いて…。
お館様にはとにかく至急で出した。第一の優先事項だったから。
もしかしてそれで気が抜けたのかな?
町に買い物に行った時に確かチラシもらって文机の上に置いてて。なんか、それを小町に渡したかも………
「はあ」と再度私はため息をついた。
そして「ごめんなさい、間違いです」と頭を下げて煉獄さんに謝った。
「そうなのか?」
「ええ……すみません」
本当に何でこんなもの出しちゃったんだろう…煉獄さんだっていきなり送られて来て、わけわからなかっただろうに。
申し訳ないなあ
その思いばかり私が抱いていたら ———
「俺はてっきり共に行きたいと誘われたかと思ったのだが」
「はいっ?」
目の前にいる彼は耳を疑うような事を言って来た。